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WordPressのためのAI活用法とは?AI活用プラグイン13選や自動化のアイデアを解説!

AI、生成AIの爆発的な普及に伴ってその進化スピードも凄まじい時代になりましたね。その活用はもはや喫緊の課題で、WordPressを使ってサイト運用をする方・企業担当者にとっても例外ではありません。

そのAI活用手法は幅広く、ひとえに「WordPressのAI活用はこれだ!」と断定することは難しいです。

しかし、特定の用途においてはAI活用をすることで飛躍的な生産性の向上につながることもあります。

そこで本記事では、即戦力となるAIプラグイン13選と実践的な自動化アイデアを詳しくご紹介。導入ポイントやコスト感も解説し、初心者から中級者まで安心して取り組める手順をお届けします。

※本記事でご紹介するプラグインの情報は、その正確性や倫理性を後押しするものではございません。あらかじめご了承ください。

WordPressのAI活用法とは

WordPressサイトでのAI活用は、その多くは「コンテンツ関連業務」「制作系業務」「雑務」を自動化する取り組みを想起するでしょう。

日々のルーティン作業を自動化し、人的コストを削減しつつも質の高い情報発信を実現できるのなら導入しないてはないですよね。

その活用はWordPressのプラグインにとどまらず、外部ツールの使用もスコープ範囲内です。

本節では、そんな各AI活用法の特徴と活用メリットを詳しく解説していきます。

コンテンツの自動生成・構成

コンテンツにおけるAI活用とは、AIが記事の見出し作成から本文の骨子組み立て、序文・結論の作成までサポートしてくれることを広く指します。

生成AIのAPIが公開され始めた時期から早くも「AIライティング」という概念は広まり、今ではAIを使わずに記事を書いている担当者は少ないのではないかと筆者は推察します。

そのメリットはなんといっても、手動で構成を練る作業を削減し、記事の統一感と読みやすさを担保できる点でしょう。これによりサイトの更新頻度向上と品質担保を両立し、検索エンジンから高評価を得られる下地を築けます。

ただし、AIライティングそのものをノールックで入稿するのはお勧め出来ません。あくまでも業務の一部をサポートするものとして捉えるのがベターです。

WordPressのプラグインにもコンテンツ生成を行なってくれるものがありますので、後述したいかと思います。

SEO最適化・分析

SEO最適化・分析におけるAI活用では、AIがキーワード選定から内部リンク・メタタグ最適化、競合サイトの動向分析などを行なってくれるような機能、プロダクト、プラグインを導入することが一般的です。

具体的には、

  • キーワードの検索ボリュームやトレンドをリアルタイムで取得
  • ページごとのSEOスコア診断と改善提案
  • スキーママークアップ自動生成でリッチスニペット対応
  • 内部・外部リンク構造の最適化
  • サイト表示速度やモバイル対応状況のモニタリング

などを自動化。

さらに、コンテンツの読みやすさやユーザー行動データをAIが解析し、離脱率の低減やCVR向上につながる具体的施策を提示してくれるものもあります。

効果的なPDCAサイクルを高速で回せるのが大きなメリットです。

後述のWordPress用SEO最適化AIプラグインを参考にしてください。

サイト多言語化・翻訳

サイトをグローバルなユーザーへ届けたいのであれば、サイトの多言語化は必須です。

WordPressはデフォルトで多言語に対応が可能なシステムになっていますが、テンプレ箇所以外(固有な見出しやユーザーの見える部分など)は自動で翻訳をしてくれません。

サイト多言語化・翻訳プラグインは、AIを活用してWebサイト全体のテキストを自動解析し、多言語対応をシームレスに実現してくれます。

具体的には以下のような機能を持ったものがあります:

  • DeepL や Google 翻訳 APIと連携し、自然な言い回しを自動生成
  • 翻訳後の文言を個別編集・校正でき、ブランドトーンを統一
  • hreflang タグや言語別パーマリンクでSEOを最適化
  • 一括翻訳とリアルタイム翻訳を状況に応じて使い分け

チャットボットの導入

最近は企業サイトがチャットボットを導入するのを見かけるのも珍しく無くなってきました。

その背景には、AIを活用した対話システムをサイトに組み込み、訪問者の問い合わせ対応を自動化してくれるチャットボットプラグインがあります。

チャットボットプラグインは主に:

  • AIによる自然言語理解で柔軟に応答
  • FAQ学習機能で定型質問に自動回答
  • ユーザー属性や行動履歴に基づくパーソナライズ
  • CRMやSlack等の外部ツールとの連携

などの機能が備わっています。

こちらについても後述にて解説しておりますので、よろしければご覧ください。

記事生成系AIプラグイン

ここからはWordPressのプラグインでAIを活用しているもの、ユーザーがAIの恩恵を受けられるものを13個ピックアップしてご紹介していきたいと思います。

まずは、記事生成系AIプラグインでです。

記事生成系AIプラグインは、大規模言語モデル(LLM)を活用し、タイトルや見出し、本文までワンクリックで自動生成できます。制作の工数を大幅に削減しつつ、キーワード最適化や文体調整も自在です。

本節以降はそれぞれの特徴をご紹介します。

AI Engine (Meow Apps)

AI Engineは、Jordy Meow氏が提供するWordPress専用のAIプラグインです。

このプラグインは、OpenAIのGPTシリーズ、Claude、Geminiなどを活用し、キーワード入力だけでタイトル、見出し、本文を自動生成します。さらに、テンプレート機能により、ブログ記事、商品説明、FAQなど、用途に応じたフォーマットをワンクリックで追加できます。

生成されたテキストはリアルタイムでプレビュー表示され、文体や長さ、トーンの調整も可能です。

また、AI Engineは、コンテンツ生成だけでなく、SEO対策の改善やChatGPTライクなチャットボットの追加など、多彩な機能を提供しています。

AI Power (AIP)

AI Power(現行名:AIP: Complete AI Toolkit for WordPress)は、OpenAIの最新モデルを活用し、キーワードからタイトル、見出し、本文をワンクリックで生成できるWordPressプラグインです。

直感的な管理画面からプロンプトを調整し、文章のトーンや長さも自由にカスタマイズ可能です。テンプレート機能では、ブログ記事、商品説明、メールマガジンなど多彩なフォーマットが用意されています。

投稿画面へのショートコード埋め込みやウィジェット連携により、サイトの各所でコンテンツ自動生成を活用できます。

無料プランは月間生成文字数10万字まで対応し、ビジネス向けには有料のプレミアムプランが用意されています。手軽さと高い精度を兼ね備え、初心者から上級者まで幅広く利用できる一押しのプラグインです。

Jetpack AI Assistant

Jetpack AI Assistantは、Automatticが提供する人気セキュリティ系プラグインJetpackのAI拡張機能です。

WordPress編集画面にシームレスに統合されており、見出しやリード文の生成、本文の自動執筆、要約、翻訳、リライト、FAQ作成までを直感的にサポートします。

無料プランでは一定量のAIクレジットを利用可能、有料プランでは無制限のAI生成機能を解放し、ビジネスサイトから個人ブログまで幅広く活用できます。

Elementor Website Builder

Elementor AIは、人気のウェブサイトビルダープラグイン「Elementor」に統合されるAIライティング&デザインアシスタントです。

編集画面のテキストウィジェット内に表示されるAIアイコンをクリックするだけで、見出しやリード文、製品説明、CTAコピーなどをGPTモデルで瞬時に生成できます。

さらに、ブランドのトーンやキーワードを指定すれば、SEOに最適化された自然な文章を自動提案してくれます。デザイン面では、AIが最適なレイアウトやカラーパレットをレコメンドする機能も搭載しています。

また、Elementor AIは、テキストの自動生成だけでなく、CSSやJavaScriptなどのカスタムコードも自動で生成する機能を備えており、これによりウェブサイトのデザインや機能性を向上させることができます。

無料プランでも基本的なテキスト生成やスタイル調整が可能で、有料プランにアップグレードすれば、より高度な文章校正や多言語翻訳、画像生成APIの利用枠が拡張され、サイト制作のスピードと品質を飛躍的に高めるでしょう。

GetGenie AI

GetGenie AIは、WordPress記事の作成から公開までをワンストップでサポートするAIライティングプラグインです。

GPTシリーズをベースにした高精度な文章生成エンジンを搭載しており、初心者でも自然な日本語コンテンツを迅速に制作できます。

主な機能と特徴:

  • AIによる記事構成提案:
    • 見出しや要点を自動生成
  • キーワード最適化:
    • 検索エンジンでの上位表示を目指したコンテンツ作成
  • メタディスクリプション自動作成:
    • メタディスクリプションを自動で生成
  • カスタムテンプレート搭載:
    • 統一感のあるコンテンツ制作

SEO最適化系AIプラグイン

サイトをより多くのユーザーに届けるには、コンテンツの質に加えSEO対策が不可欠です。

最近では、AI技術を活用したプラグインが登場し、キーワード分析、内部リンク最適化などを手軽に実行できるようになりました。

本節ではSEO最適化に役立つ業務をAIが自動サポートしてくれる、WordPressのAIプラグインを見ていきましょう。

Rank Math Content AI

Rank Math Content AIは、初期設定後、自然言語処理を用いたキーワード調査が自動実行され、記事テーマにマッチしたキーワード候補や関連語をリアルタイムで提示してくれる便利なSEOプラグインです。

タイトルや見出しの自動生成、メタディスクリプション作成、スニペットプレビューなどの機能もワンクリックで完了します。

さらに、内部リンクや外部リンクの最適配置を提案し、スキーママークアップの推奨まで網羅。検索意図に沿ったコンテンツ構成を効率的に整えられるため、SEO初心者でも直感的に使いこなせます。

Yoast SEO(AI機能)

Yoast SEOは、WordPressで最も人気のあるSEOプラグインのひとつといっても過言ではないでしょう。

そんなYoast SEOにもAI機能が搭載されていて、この機能を活用することで、キーワード調査やメタタイトル・ディスクリプションの自動生成、スニペット提案を瞬時に実行できます。

さらに、文章の可読性やSEOスコアをリアルタイムで解析し、具体的な改善ポイントをブロックエディタ内で提示します。

テキストの最適配置案もAIが自動でリコメンドし、ユーザー体験とSEO効果を両立する構成をサポートし。

Premium版ではコンテンツ構造のチェックやキーワード最適化提案など、より高度なサポートを受けられます。

また、Yoast SEOは、Semrushなどのツールと統合されており、これらのツールと連携することで、SEO分析やキーワードリサーチをさらに強化できます。

All in One SEO (AIOSEO)

All in One SEO(AIOSEO)は、Yoast SEOに引けを取らない大人気なプラグインでs、初心者から上級者まで幅広く支持されています。

AI機能では、入力キーワードをもとにメタタイトルやディスクリプションの自動生成、最適な見出し構成の提案、キーフレーズ候補のリサーチをワンクリックで実行できます。

さらに、記事内部の構造を解析して、適切な内部リンクやアンカーテキストを推奨し、SEOスコアと可読性を同時に向上させるサポートが可能です。

WordLift

WordLiftは、AIを活用した語義処理と知識グラフ生成に特化したSEOプラグインです。

記事内のキーワードや概念を自動で抽出し、Googleが推奨する形式の構造化データをワンクリックで生成します。この構造化データの生成により、検索エンジンがコンテンツをより適切に理解しやすくなるため、インデックス化することが可能となります。

さらに、WordLiftは内部リンクの最適化提案や関連コンテンツのレコメンド機能を提供し、ユーザーの回遊性を高めつつSEOパフォーマンスを強化します。

これらの機能は、コンテンツの意味的価値を向上させ、検索結果のリッチスニペット獲得やナレッジパネル表示を狙う上で有効です。

多言語・自動翻訳系AIプラグイン

言語の翻訳系ツールの多くは、DeepLやGoogle翻訳などのAIエンジンと連携し、サイトを瞬時に多言語化することが可能です。

WordPressのプラグインにも便利な多言語・自動翻訳系AIプラグインは存在しますので、本節でご紹介します。

TranslatePress(Google・DeepL統合)

TranslatePressは、WordPress上で多言語サイトを簡単に構築できるプラグインで、AI翻訳エンジンDeepLやGoogle Translateと連携可能です。

フロントエンド上でリアルタイムプレビューしつつ、専門用語や固有名詞を手動修正でき、翻訳メモリ機能で過去の訳文を再利用し、一貫性を維持します。言語切替ボタンの配置やスタイルを自在にカスタマイズできます。

TranslatePressは、視覚的な翻訳インターフェースを提供し、サイトの見た目を確認しながら翻訳作業を行えます。これにより、誰でも直感的に操作でき、翻訳の精度を高めることが可能です。

さらに、SEO対策として、ページのURLやタイトル、メタディスクリプションなど、検索エンジンに影響する要素も翻訳できるため、多言語対応のサイトでも検索結果にしっかり表示されるようサポートします。

GTranslate

GTranslateは、WordPressサイトを瞬時に多言語化できるプラグインで、AIや自動翻訳技術を活用し、100以上の言語に対応しています。面倒な翻訳作業は不要で、プラグインを有効化するだけでページ全体が瞬時に切り替わります。

GTranslateはGoogleの機械翻訳を採用しており、翻訳単語数、ページ数は無料版でも無制限に利用可能な点が魅力的です。

チャットボット系AIプラグイン

チャットボットは、AIが問い合わせ対応を自動化し、24時間365日ユーザーの質問に即時応答できることから、最近は導入する企業が増えてきた印象があります。

そんな便利なCSの味方チャットボットですが、WordPressでは手軽に実装ができるプラグインがあります。

本節ではチャットボット系AIプラグインをご紹介します。

Tidio – Live Chat & AI Chatbots

Tidioは、AIチャットボットを実現できるWordPressプラグインで、ウェブサイトへの迅速な導入が可能です。インストール後、数分でチャットウィジェットをサイトに埋め込むことができます。

ノーコードでボットのフローを自由に設定でき、メール、Messenger、Instagram DMなど複数のチャネルと連携可能で、リアルタイム解析ダッシュボードでは、会話データやコンバージョン率を可視化し、マーケティング施策の改善にも役立ちます。

Tidioの無料プランでは基本的なライブチャット機能が利用可能ですが、同時に対応できるオペレーター数やチャット件数に制限があります。

有料プランでは、より多くの機能やサポートが提供され、ビジネスの成長に合わせてスケールアップが可能です。

WPBot(QuantumCloud)

QuantumCloudのWPBotは、WordPress専用のチャットボットプラグインです。

導入後は、管理画面でのガイドに従ってキーワード応答フローを直感的に作成し、よくある質問や定型案内を24時間自動応答するチャットボットの構築が可能です。

有料アドオンを利用すると、リード獲得フォーム、Slack連携など、多彩な機能を追加できます。

WordPressとAIに関するよくある質問

WordPressにAIを導入する際、疑問や不安を抱える方も多いでしょう。

ここでは「AIでホームページは作れるのか?」「サイトビルダーとは?」「生成AIのデメリットは?」など、運用前に押さえておきたい基本的な質問を解説します。

AIでホームページは作れるのか?

結論、AIでホームページを作ることは可能です。サイトビルダーやテキスト生成機能を活用すれば、AIによるホームページの構築は可能です。WordPressでも、サイトビルダー関連のプラグインは多く存在します。

ただし、独自のブランドカラー調整や複雑なインタラクション設定、プラグイン同士の競合解消、セキュリティ強化、SEO最適化などはまだ人手が必須です。

AIはあくまで制作の起点として効率化を助けるツールと割り切り、最終チェックやカスタマイズは専門家の目を入れることで、クオリティの高いホームページが完成します。

サイトビルダーとは?

サイトビルダーとは、プログラミング知識がなくてもドラッグ&ドロップなどの直感的な操作でWebサイトを構築できるノーコードツールの総称のことです。

あらかじめ用意されたテンプレートを選び、テキストや画像を差し替えるだけで、短時間で第一稿を完成させられる手軽さが最大の魅力です。

代表的なサービスにはWix、Squarespace、Weeblyなどがあり、最近ではAIによるレイアウト自動提案やキャッチコピー生成機能を備えたものも登場。初心者でもプロ並みのデザインを実現できる上、ホスティングやSSL設定がワンストップで済む点もメリットです。

サイト制作における生成AIのデメリットとは?

生成AIをサイト制作に導入するメリットは大きいものの、デメリットも見逃せません。

出力される文書やコピーはテンプレート的で個性に欠けたりAIの学習データが古い/偏っていると誤情報や不適切な表現が混入し、信頼性の面でリスクが発生します。

さらに、設計意図やユーザー体験を深く理解せず自動生成するとUX/UIの最適化が不十分になり、後から手動で修正・調整するコストが嵩む可能性があります。

加えて、データプライバシーや情報漏洩のリスクも留意が必要です。企業の機密情報をAPI経由で送信する際は、暗号化や利用規約の確認が欠かせません。

まとめ

WordPressでの生成AI活用はコンテンツ作成、SEO、画像Alt生成、翻訳、チャット機能導入など幅広い効果を発揮します。

ただしコストや品質、セキュリティ面のリスク管理と、人力チェックの組み合わせが成功のカギです。

この記事の著者

児玉慶一(ケーイチ)

児玉慶一

執行役員/ AI・ITエンジニア

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愛称: ケーイチ
1999年2月生まれ。大学へ現役進学後数ヶ月で通信キャリアの営業代理店を経験。営業商材をもとに100名規模の学生団体を構築。個人事業主として2018年〜2020年2月まで活動したのち、2020年4月に広告営業事業を営む株式会社TOYを創業。同時期にITの可能性を感じプログラミングを始め、現在はITエンジニアとして活動中。2021年にLeograph株式会社に参画し、AI研究開発やWebアプリ開発などを手掛ける。 「Don't repeat yourself(重複作業をなくそう)」「Garbage in, Garbage out(無意味なデータは、無意味な結果をもたらす)」をモットーにエンジニア業務をこなす。
【得意領域】
業務効率化AIモデル開発
事業課題、戦略工程からシステム開発
Webマーケティング戦略からSaaS開発