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MacBookでできるAI開発環境の構築手順を解説!Pythonの導入方法も

AI開発と聞くとなんとなくハードルが高いように感じますが、実は手元にMacBookがあれば最低限のAI開発を行うことができます。

しかし、MacBookを使ってAI開発を始めるには、適切な開発環境を構築することが重要です。

本記事では、MacBookを活用したAI開発環境の構築手順を詳細に解説します。Pythonの導入方法を含め、必要なツールやパッケージのインストール手順を順を追って説明し、効率的な開発を支援するおすすめのチュートリアルも紹介します。

MacBookでのAI開発環境に必要なもの

MacBookでAI開発環境を整えるためには、複数の必須要素が存在します。

本節では、ターミナル、プログラミング言語、各種パッケージなど、 環境構築に必要な主要コンポーネントについて詳しく解説します。

ターミナル

ターミナルはMacBookにおけるAI開発の基盤です。MacBookには標準で「ターミナル」アプリが搭載されていて、これを使ってコマンドライン操作を行い、ソフトウェアのインストールや設定を行います。

おすすめのコマンドには、Homebrewによるパッケージ管理やGitでのバージョン管理があります。

プログラミング言語

AI開発に適した主要なプログラミング言語としては、主にPythonが挙げられます。Pythonはシンプルな文法と豊富なライブラリが特徴で、データ解析や機械学習、深層学習といったAI分野で広く利用されています。

Pythonの利点の一つは、その使いやすさと柔軟性です。

PythonのインストールはHomebrewを利用すると簡単に行えます。

AI開発を補完する他の言語として、R、Java、C++も話題に上がりますが、基本的にはPythonを扱うのが無難と言えるでしょう。

パッケージ

AI開発では、以下のようなパッケージやライブラリが頻繁に使用されます:

  • TensorFlow: 機械学習モデルの構築とトレーニングに使用。
  • PyTorch: 深層学習フレームワークで、研究やプロトタイピングに最適。
  • scikit-learn: 機械学習アルゴリズムの実装に便利。
  • NumPy / Pandas: データ処理や分析に必要。

これらのパッケージは、Pythonのパッケージマネージャであるpipを使ってインストールすることで扱うことが可能となります。

インストール方法は後述にて解説しますので、併せてそちらもご覧ください。

MacBookでできるAI開発環境の構築手順

本節では、MacBook上でAI開発環境を構築するための詳細な手順を順を追って紹介します。

初心者の方でも理解しやすいように各ステップを解説し、確実に開発環境を整える方法をお見せいたします。

手順1: MacBookでターミナルを起動

MacBookでターミナルを起動するには、以下の手順を実行してください:

  • ターミナルアプリをクリックして起動
  • Launchpadを開き、「ターミナル」と検索
  • ターミナルを起動

これでターミナルアプリの起動が完了します。

この時点でターミナルが正常に動いているかを確認するために以下のコマンドを入力してみましょう。

# ターミナルが正しく動作するか確認
whoami

これによりあなたのMacBookユーザー名が表示されれば、ターミナルは正常に動いています。

今後、このターミナルでのコマンド入力を前提として解説を進めてまいります。

手順2: Homebrewのインストール

次にHomebrewをインストールしましょう。

Homebrewは、macOSで利用できる無料でオープンソースのパッケージ管理システムで、ソフトウェアのインストール、管理をコマンドラインから簡単に行えるツールです。 以下のコマンドでインストールします。少し時間がかかりますが、気長に待つこととしましょう。

# Homebrewのインストール
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"

インストールが完了したら、以下のコマンドでHomebrewが正しくインストールされたか確認します。

# Homebrewのバージョンを確認
brew --version

そして以下のようにバージョンが表示されれば成功です。

Homebrew 4.4.32

手順3: Python3のインストール手順4: 仮想環境の構築

次に、プログラミング言語であるPyrthonをインストールしましょう。

MacBookにはPython2がプリインストールされている場合がありますが、本記事ではPython3の使用を推奨します。

Homebrewを使った最新のPython3をインストール方法は以下の通りです。

# Python 3のインストール
brew install python3
# Python 3のバージョンを確認
python3 --version
# 以下のようなバージョンが表示されればOK
Python 3.12.4

これで、Python 3が使える状態になりました。

手順4: 仮想環境の構築

次に仮想環境を使いましょう。仮想環境を使うと、プロジェクトごとに依存関係を分離でき、パッケージの競合を防ぐことができます。

仮想環境は、Pythonのvenvモジュールを使って構築します。

# まず、デスクトップへ移動するためのコマンド
cd desktop
# 適当にフォルダー(ディレクトリ)を作成するコマンド
# 今回はai_projectなどにしましょう
mkdir ai_project
# 仮想環境を作成(例: ai_envという名前の環境)
python3 -m venv ai_env

上記のコマンドを順番に実行していくと、デスクトップに”ai_project”というフォルダー(ディレクトリ)が出現したのが見えるかと思います。

そちらをクリックすると、今度は”ai_env”という名前のディレクトリが見えるかと思います。これが仮想環境です。では仮想環境を有効化するために以下のコマンドを打ち込んでください。

# 仮想環境を有効化
. ai_env/bin/activate
# ちなみに、仮想環境を閉じたい場合は以下のコマンドを実行
deactivate

手順5: 各種パッケージのインストール

今度は、上記にて作成した仮想環境にAI開発に必要な(代表的な)パッケージのインストールをしていきます。

Pythonでは”pip”というパッケージインストーラーコマンドを扱い、パッケージのインストールを行なっていきます。

# pipを最新バージョンにアップグレード
pip install --upgrade pip
# 必要なパッケージのインストール
pip install tensorflow pytorch scikit-learn

上記のコマンドで各種パッケージのインストールが終わると、先ほどの”ai_project”の中にある”lib > python3.x > site-packages”の配下に、”tensorflow”、”pytorch”、”scikit-learn”の3つが入っていることが伺えるかと思います。

ここまでの手順を踏み終わると、MacBookでもできるAI開発の最低限の開発環境が整いました。あとはお好みのコードエディタを使って自由にプログラムを書き進めてみてください。

MacBookでできるAI開発環境のおすすめチュートリアル

AI開発環境の構築が完了したら、今度は実践的なチュートリアルでAI開発を体系的に学んでいくといいでしょう。

何事も入門編の基礎から学んでいくことが肝要です。

ちなみに、本格的な商用AI開発を行う場合は、もっと統計学などの包括的知識が要求されることが現実ではありますが、AI開発の入り口レベルの開発環境ではチュートリアルがおすすめです。

Tensorflow 2.0入門

TensorFlowはGoogleが開発したオープンソースの機械学習ライブラリであり、深層学習モデルの構築や訓練に最適です。

公式の「TensorFlow 2.0入門」チュートリアルでは、基本的なモデル構築から応用までを学べます。

おすすめポイント: 初心者向けのコード例が豊富。

リンク: TensorFlow公式チュートリアル

内容: 画像分類、回帰モデル、ニューラルネットワークの基礎など。

PyTorchチュートリアル

PyTorchはMeta(旧Facebook)が開発したオープンソースの機械学習フレームワークで、柔軟性が高く、研究者や開発者に人気のフレームワークです。

公式チュートリアルで、深層学習の基礎から応用までを学べます。

おすすめポイント: 直感的なコードでプロトタイピングがしやすい。

リンク: PyTorch公式チュートリアル

内容: テンソルの操作、ニューラルネットワークの構築、画像認識モデルなど。

scikit-learn Tutorials

scikit-learnは、機械学習アルゴリズムの実装に最適なライブラリです。

初心者向けに、データ前処理からモデル評価までを網羅しています。

おすすめポイント: 簡単なコードで実用的なモデルを構築可能。

リンク: scikit-learn公式チュートリアル

内容: 教師あり学習、教師なし学習、データ前処理の方法など。

まとめ

本記事では、MacBookでのAI開発環境構築手順を詳細に解説しました。ターミナルやHomebrew、Pythonの導入から仮想環境の設定、必要なパッケージのインストールまでをステップバイステップで説明いたしました。

深く知ろうとすると難解なAI開発という領域ですが、入門レベルであれば意外と簡単に始められるものです。

是非この記事をきっかけにAI開発に興味を持っていただけますと幸いです。

この記事の著者

児玉慶一(ケーイチ)

児玉慶一

執行役員/ AI・ITエンジニア

SNS Xアカウント

愛称: ケーイチ
1999年2月生まれ。大学へ現役進学後数ヶ月で通信キャリアの営業代理店を経験。営業商材をもとに100名規模の学生団体を構築。個人事業主として2018年〜2020年2月まで活動したのち、2020年4月に広告営業事業を営む株式会社TOYを創業。同時期にITの可能性を感じプログラミングを始め、現在はITエンジニアとして活動中。2021年にLeograph株式会社に参画し、AI研究開発やWebアプリ開発などを手掛ける。 「Don't repeat yourself(重複作業をなくそう)」「Garbage in, Garbage out(無意味なデータは、無意味な結果をもたらす)」をモットーにエンジニア業務をこなす。
【得意領域】
業務効率化AIモデル開発
事業課題、戦略工程からシステム開発
Webマーケティング戦略からSaaS開発