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AI開発に使えるおすすめ無料ツール10選!料金や特徴を解説

AI開発を効率化するための無料ツールは多岐にわたります。本記事では、ツール選びのポイントを詳しく解説し、特におすすめのテキストエディタや生成AIサービス、オープンソースツールを10個厳選してご紹介します。これらのツールを活用し、効果的なAI開発を実現しましょう。

AI開発ツールの選び方

AI開発ツールを選定する際には、ユーザーインターフェースの使いやすさ、拡張機能の豊富さ、そしてコスト面など、さまざまな要素を総合的に評価する必要があります。本節では、これらの基準に基づいて最適なツールを選ぶ方法について詳しく解説します。

ユーザーインターフェースの充実度

ユーザーインターフェースの充実度は、AI開発ツール選定において極めて重要な要素です。直感的で使いやすいインターフェースは、開発作業の効率を大幅に向上させ、学習曲線の緩和にも寄与します。さらに、カスタマイズ可能なレイアウトやテーマ、豊富なショートカットキーの提供など、ユーザーのニーズに柔軟に対応できる設計が求められます。また、視覚的なフィードバックやリアルタイムのエラーチェック機能が充実していることで、開発中のミスを迅速に発見・修正できるため、全体的な開発品質の向上にも繋がります。これらの点を総合的に評価し、ユーザーインターフェースが充実しているツールを選ぶことが、効果的なAI開発の鍵となります。

拡張機能の充実度

拡張機能の充実度は、AI開発ツールの柔軟性と対応力を左右する重要な要素です。多様なプラグインやアドオンが提供されていることで、開発者は特定のプロジェクト要件に応じて環境をカスタマイズできます。さらに、他のツールやサービスとの統合が容易に行える拡張機能は、作業効率を大幅に向上させ、開発プロセスの一貫性を保つ助けとなります。また、定期的なアップデートやコミュニティによるサポートが充実していることは、ツールの長期的な価値を保証し、最新の技術動向に迅速に対応できる環境を提供します。これらの要素を総合的に考慮し、拡張機能が豊富なツールを選定することが、効果的なAI開発の実現に繋がります。

料金の安さ

料金の安さは、AI開発ツール選定において重要な要素です。予算に制約のある開発者や企業にとって、低コストまたは無料で利用できるツールは導入のハードルを下げます。また、価格設定が明確で柔軟なプランを提供しているツールは、プロジェクトの規模やニーズに応じて最適な選択が可能です。さらに、コストパフォーマンスの高いツールは、限られた予算内で最大限の機能を活用でき、長期的な運用コストの削減にも寄与します。したがって、料金の安さを評価基準に含めることで、効率的かつ経済的なAI開発環境を構築することができます。

AI開発に使えるテキストエディタ3選!

AI開発において効率的なコーディング環境を整えることは非常に重要です。ここでは、特にAI開発に適したテキストエディタを3つ厳選し、それぞれの特徴や利点について詳しく解説します。これらのエディタは、ユーザーインターフェースの使いやすさや豊富な拡張機能、コストパフォーマンスなどを考慮して選定しています。

VSCode

VSCode(Visual Studio Code)は、Microsoftが提供する無料のソースコードエディタで、AI開発において非常に高い評価を受けています。豊富な拡張機能により、PythonやJavaScriptなど主要なプログラミング言語に対応し、IntelliSenseによる高度なコード補完や効率的なデバッグ機能を提供します。また、Gitとのシームレスな統合により、バージョン管理が容易に行える点も魅力です。さらに、ユーザーフレンドリーなインターフェースとカスタマイズ性の高さにより、個々の開発スタイルに柔軟に対応可能です。活発なコミュニティによって常に最新の機能やプラグインが提供され、継続的なサポートが受けられるため、VSCodeはAI開発者にとって不可欠なツールとなっています。

特に、2025年3月にリリースされたVSCode 1.98では、新機能「Copilot Vision」がプレビュー版として搭載されました。この機能により、ユーザーインターフェイスのモックアップ画像を読み込ませてHTML/CSSによるWebページを生成したり、コードの実行中にエラーが発生した場合、そのエラーのスクリーンショットを読み込ませてエラーの内容の分析や説明を依頼することが可能となりました。

また、VSCodeの拡張機能として、GitHub Copilot Xが注目を集めています。このツールは、AIがリアルタイムでコードを提案するだけでなく、チャット形式でのコード生成、デバッグ、リファクタリングまでサポートしています。これにより、開発者はより効率的にコーディングを行うことができます。

さらに、VSCodeをベースにしたAI統合型コードエディタ「Cursor」も登場しています。Cursorは、エディタ内で直接AIとチャットしながらコード生成や修正が行えるため、開発ワークフローが効率化されます。高性能AIモデルを活用し、コードの自動生成、バグ修正、リファクタリング提案などを実現しています。

これらの進化により、VSCodeはAI開発者にとってますます強力なツールとなり、開発効率の向上に大きく貢献しています。

Cursor

Cursorは、最新のAI技術を活用した高度なコードエディタであり、開発者の生産性を大幅に向上させます。直感的なユーザーインターフェースにより、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに対応しています。リアルタイムでのコード補完やエラーチェック機能に加え、自然言語による指示でコード生成や修正が可能です。さらに、複数のプログラミング言語に対応しており、柔軟なカスタマイズオプションを提供しています。バージョン管理システムとの統合もスムーズで、チーム開発においても効率的に連携できます。

Cursorは無料で利用できる点も魅力で、コストを抑えながら高機能な開発環境を構築したい開発者に最適なツールです。その優れた機能と使いやすさから、AI開発を含むさまざまな開発プロジェクトで広く採用されています。

しかし、高度な機能(例: BugBotのMaxモードや背景エージェント)にはProプラン(月額20ドル)やEnterpriseプランが必要で、完全無料ではないです。

GitHub Copilot

GitHub Copilotは、OpenAIとGitHubが共同開発したAIベースのコード補完ツールで、Visual Studio Code、Visual Studio、JetBrains IDE、Neovimなどの主要なエディターと統合されています。これにより、開発者は問題解決や共同作業に集中し、定型的な作業の負担を軽減できます。

GitHub Copilotは、パブリックリポジトリに表示されるすべてのプログラミング言語でトレーニングされており、JavaScriptなどの主要な言語に対応しています。これにより、開発者は多様なプロジェクトでGitHub Copilotを活用できます。

さらに、GitHub Copilotは、コードの品質向上やエラーレビューの効率化にも役立ちます。例えば、プルリクエストを作成すると同時にGitHub Copilotによるフィードバックが得られ、待ち時間なしでフィードバックのサイクルを開始できます。

AI開発に使える生成AIサービス3選!

AI開発における生成AIサービスは、開発プロセスの効率化や創造性の向上に欠かせないツールとなっています。本セクションでは、特に優れた3つの生成AIサービスをご紹介いたします。これらのサービスは、それぞれ独自の特徴と強みを持ち、さまざまな開発ニーズに対応可能です。具体的には、自然言語処理やコード生成、データ解析など多岐にわたる機能を提供しており、開発者の生産性向上に大いに寄与します。以下では、業界で高い評価を受けているChatGPT、Grok、そしてClaudeについて詳しく解説し、それぞれのサービスがどのようにAI開発を支援するかをご紹介いたします。

ChatGPT

ChatGPTは、OpenAIによって開発された高度な自然言語処理モデルであり、AI開発において極めて有用なツールです。このサービスは、コードの自動生成やエラーチェック、技術文書の作成支援など、多岐にわたる機能を提供します。

さらに、ChatGPTは、Apple NotesやNotion、Quipなどの生産性向上アプリケーションや、BBEdit、MatLab、Xcodeなどの開発者ツールと連携する機能を備えています。これにより、ユーザーはこれらのアプリケーションから直接コンテンツを読み取り、対話することが可能となり、作業効率が大幅に向上します。

ユーザーインターフェースも直感的で使いやすく、初心者から専門家まで幅広い開発者に適しています。また、APIを通じて他の開発ツールやプラットフォームと容易に統合できるため、開発プロセスの効率化が図れます。

定期的なアップデートにより最新の技術動向にも対応しており、継続的な性能向上が期待できます。これにより、開発者はより迅速かつ効果的にプロジェクトを進めることが可能となります。

Grok

Grokは最新の生成AIサービスとして注目されており、特にAI開発において強力なツールです。このサービスは高度な自然言語処理機能を備えており、コードの自動生成やデバッグ、技術文書の作成支援など多岐にわたる機能を提供します。例えば、プログラミングの初心者にとっては、自然言語を入力するだけでコードを生成できる機能が非常に便利です。

また、Grokは直感的なユーザーインターフェースを持ち、初心者から専門家まで幅広いユーザーに対応可能です。さらに、他の開発ツールやプラットフォームとの統合が容易であり、開発プロセスの効率化を実現します。例えば、Grokは、ウェブサイトの情報を迅速に理解し、要約することができます。

定期的なアップデートにより、最新の技術動向にも迅速に対応し、継続的な性能向上が期待できます。これにより、開発者は効率的かつ効果的にプロジェクトを進めることが可能となります。

Claude

Claudeもまた、昨今のAIブームを代表する先進的な生成AIサービスです。

高度な自然言語処理能力を活用し、コードの自動生成や複雑なデータ解析、技術文書の作成支援など、AI開発における多様なニーズに対応します。直感的なユーザーインターフェースを備えており、初心者から専門家まで幅広いユーザーが容易に利用可能です。また、セキュリティ対策が強化されているため、機密性の高いプロジェクトにも安心して導入できます。定期的なアップデートにより、最新の技術動向にも迅速に対応し、継続的な性能向上が図られています。

さらに、Claudeは長文の文書や複雑なコードベースの処理においても高い精度を発揮します。

AI開発に使えるオープンソース4選!

AI開発におけるオープンソースツールは、柔軟性と拡張性を提供します。本セクションでは、Jupyter Notebook、Anaconda、Hugging Face Transformers、PyTorchの4つの主要なオープンソースツールについて、それぞれの特徴や活用方法を詳しく解説します。

Jupyter Notebook

Jupyter Notebookは、データ分析や機械学習の開発に広く利用されているオープンソースの統合開発環境です。インタラクティブなノートブック形式を採用しており、コードの実行結果やグラフを即座に確認できます。また、Pythonをはじめとする複数のプログラミング言語に対応しており、拡張性にも優れています。さらに、豊富なプラグインやライブラリが利用可能で、チームでの共同作業やプレゼンテーションにも適しています。教育現場や研究開発でも重宝されており、初心者から専門家まで幅広いユーザーに支持されています。

2024年2月27日、Project Jupyterは「JupyterLab 4.1」と「Jupyter Notebook 7.1」を同時リリースしました。これらの新バージョンでは、ユーザーインターフェイスのカスタマイズ機能やインライン補完機能、ノートブック実行履歴機能など、多くの新機能と改善が導入されています。

また、2023年7月には「Jupyter Notebook 7」がリリースされ、コードデバッグ機能やリアルタイムコラボレーション機能、ダークテーマのデフォルト化などが追加されました。

これらの進化により、Jupyter Notebookはデータ分析や機械学習の分野でますます重要なツールとなっています。

Anaconda

Anacondaは、データサイエンスや機械学習の開発に特化したPythonおよびRのディストリビューションです。豊富なライブラリやツールがプリインストールされており、環境構築を迅速かつ容易に行えます。特に、condaパッケージマネージャーは依存関係の管理や仮想環境の作成を効率化し、プロジェクトごとに異なる設定を簡単に切り替えることが可能です。

2023年9月には「Anaconda Distribution 2023.09」がリリースされ、Python 3.11のサポートやOpenSSL 3.0への完全移行が行われました。また、データ解析ライブラリ「Pandas」の2.0.3へのアップデートにより、パフォーマンスが向上しています。

さらに、2024年11月には機械学習ライブラリ「PyTorch」が公式のAnacondaチャンネルでのパッケージ公開を停止することを発表しました。これは、PyTorchパッケージの総ダウンロード数のうちAnacondaからのものが5%未満であり、メンテナンスコストが高かったことが背景にあります。

これらの進化により、Anacondaはデータ分析の現場でますます重要な役割を果たしています。

Hugging Face Transformers

Hugging Face Transformersは、自然言語処理(NLP)分野で広く利用されているオープンソースのライブラリです。

BERTやGPTなど、多数の事前学習済みモデルを提供しており、テキスト生成、翻訳、要約など多岐にわたるタスクに対応可能です。使いやすいAPIを備えており、開発者は迅速にモデルを導入・カスタマイズすることができます。

また、モデルの互換性や拡張性に優れており、コミュニティからのサポートも充実しています。2024年には、事前学習済みモデルの数が90万以上に達し、ユーザー数も500万人を超えるなど、さらに利便性が向上しました。

研究者やエンジニアが高度なNLPアプリケーションを効率的に開発できる環境が整っています。

PyTorch

PyTorchは、Meta(旧Facebook)によって開発されたオープンソースのディープラーニングフレームワークです。動的計算グラフを採用しており、柔軟かつ直感的なモデル構築が可能です。研究者や開発者に広く支持されており、豊富なライブラリやツールが揃っています。画像認識や自然言語処理、強化学習など多岐にわたるAIアプリケーションの開発に適しており、コミュニティのサポートも充実しています。さらに、PyTorchはモデルのトレーニングからデプロイまで一貫したワークフローを提供し、効率的な開発環境を実現します。

2022年9月、PyTorchはMetaから独立し、Linux Foundation傘下のPyTorch Foundationによって管理されることとなりました。これにより、PyTorchの開発はより中立的な立場で進められ、AIコミュニティ全体の協力が促進されています。

2023年3月には、PyTorch 2.0が正式にリリースされ、後方互換性を保ちながらも処理速度が大幅に向上しました。このバージョンでは、コードの実行速度が最大2倍に向上するなど、パフォーマンスの改善が図られています。

PyTorchはますます多様な環境でのAI開発を支える重要なツールとなっています。

まとめ

ツール選定では、ユーザーインターフェースの充実度や拡張機能、料金面を総合的に考慮し、目的に最適なものを選ぶことが重要です。

筆者としては、使いやすければなんでも良いと思いますが、ツール選びには社内環境や目的に応じて若干の適合性の差が出てきますので、適宜参考にしていただけますと幸いです。

この記事の著者

児玉慶一(ケーイチ)

児玉慶一

執行役員/ AI・ITエンジニア

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愛称: ケーイチ
1999年2月生まれ。大学へ現役進学後数ヶ月で通信キャリアの営業代理店を経験。営業商材をもとに100名規模の学生団体を構築。個人事業主として2018年〜2020年2月まで活動したのち、2020年4月に広告営業事業を営む株式会社TOYを創業。同時期にITの可能性を感じプログラミングを始め、現在はITエンジニアとして活動中。2021年にLeograph株式会社に参画し、AI研究開発やWebアプリ開発などを手掛ける。 「Don't repeat yourself(重複作業をなくそう)」「Garbage in, Garbage out(無意味なデータは、無意味な結果をもたらす)」をモットーにエンジニア業務をこなす。
【得意領域】
業務効率化AIモデル開発
事業課題、戦略工程からシステム開発
Webマーケティング戦略からSaaS開発