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【2025年最新】WordPressセキュリティに使えるプラグイン10選!WPの脆弱性も解説

今や、WordPressは世界で最も広く使われているオープンソースCMSになりました。あのホワイトハウスもWordPressを使用してWebサイトを運用しています。

しかし、WordPressは普及度が高い反面、プラグインやデータベース構造の既知性などから多彩な脆弱性リスクを抱えがちです。企業担当者の皆さまも「WordPressの脆弱性について心配だ」という意見が終わりの方もいらっしゃるかとおもいます。

そこで本記事では、まずWordPressの脆弱性や主な攻撃パターンを解説し、基本的なセキュリティ対策と、2025年最新のおすすめセキュリティプラグイン10選を厳選してお届けします。

WordPressの脆弱性とは

WordPressの抱える脆弱性とは、そのコアシステムやテーマ、プラグインに潜むセキュリティ欠陥や弱点を指します。

オープンソースゆえにソースコードが公開され、それにより継続的な改善が見込まれるのはいいことですが、攻撃者に解析されやすいのがオープンソースの難点です。

古いバージョンを放置すると既知の脆弱性が悪用され、不正ログインやデータ漏えいのリスクが高まります。

つまり、「WordPressそのものが脆弱性を抱えている」というわけではなく、「WordPress使用者の油断を突きやすい状況そのものが脆弱性を抱えている」と言い換えることができます。

WordPressにセキュリティ対策が必要な理由

WordPressの普及度の高さゆえ攻撃者の標的になりやすいという一面がありますが、個別具体的にはどういった根拠で脆弱性があると言えるのでしょうか?

本節では、なぜ対策が必要なのかを3つの視点から解説します。攻撃者が狙うポイントを理解し、効果的な防御策を検討しましょう。

理由1: 世界中で普及し過ぎている

WordPressは、世界中のWebサイトの約43~46%[*1]を占めるCMSと言われており、その普及率の高さから、サイバー攻撃の主要なターゲットとなっています。普及率の高さは、効率的に攻撃を仕掛けることを可能にしうるという点があります。

なぜなら、テンプレートワークとしてのCMS運用の中には、

  • どこに重要情報があるのか
  • どこを攻撃すればダメージを与えられるのか

などの攻撃ポイントもテンプレートとして生み出す危険性があるのです。

また、WordPressはオープンソースであるため、ソースコードが公開されており、脆弱性が見つかりやすいという側面もあります。

逆に、このオープン性は開発者コミュニティによる迅速な修正や改善が可能であるという利点もあるので、一概に「WordPressは危険だ!」と断定することは賢しくありません。ある意味では攻撃者と開発者コミュニティのイタチごっこという見方もできます。

*1 参考: WordPress Market Share Statistics (2011-2025)

理由2: プラグインエコシステムの課題

WordPressのプラグインは、非常に多くの開発者が参加しており、使用者が直感的な操作でサイト運用をできるようなものが多いです。開発者たちも、便利なプラグインを作って配布したり、そこでビジネスを繰り広げたりすることでWPコミュニティとのWin-Winな関係を気づいているのです。

しかし、このエコシステムにこそ大きな課題があります。Wordfenceの調査[*1]によると、WordPressの脆弱性のうち96%がここから発生しているという調査も存在しています。

*1 参考: 2024 Annual WordPress Security Report by Wordfence

原因として、

  • 開発が停止されたまま放置されるプラグイン
  • 互換性テストが不十分なもの
  • 複数のプラグイン同士の競合による予期せぬ動作不良
  • セキュリティパッチの適用タイミングがバラバラ

など、さまざまなレイヤーとさまざまな理由が絡み合い、サイト全体の防御に穴が生じる可能性があります。

しかし、これもプラグインそのものが悪さをするというよりは、運用者側のリスク管理にも問題があるでしょう。

理由3: データベース構造がバレている

WordPressは、デフォルトでテーブル接頭辞として「wp_」を使用しています。(例: wp_post)これは、セキュリティ上のリスクとしてデータベースの構造を推測しやすくしている点があります。

例えば、SQLインジェクション攻撃などを仕掛ける際には、攻撃者はデータベーステーブルの名称がわからないことには個別具体的なテーブルの攻撃ハードルが上がります。このハードルを下げているのがwp_接頭辞の統一的な記述です。

実際にサーバーのログを見てみると以下のようなSQLインジェクションが確認されることがあります。(架空のログです)

84.55.41.57 - - [09/Sep/2025:14:22:13 +0000] "GET /wp-content/plugins/custom-plugin/check-user.php?userid=1%20AND%20(SELECT%206810%20FROM(SELECT%20COUNT(*),CONCAT(0x7171787671,(SELECT%20(ELT(6810=6810,1))),0x71707a7871,FLOOR(RAND(0)*2))x%20FROM%20INFORMATION_SCHEMA.CHARACTER_SETS%20GROUP%20BY%20x)a) HTTP/1.1" 200 166 "-" "Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/117.0.0.0 Safari/537.36"

WordPressの脆弱性をついた攻撃パターン

そんな脆弱性を抱えていると言われがちなWordPressですが、ログイン画面やデータベース、入力フォームの隙を狙った攻撃が絶えません。

実際にどんな攻撃を受けることが多いのか。

本節では、サイト運営者が押さえるべきポイントとしてよくある攻撃パターンをご紹介します。

ブルートフォース

ブルートフォース攻撃とは、ログイン画面に対してひたすらパスワードを総当たりで試し、不正に認証情報を突破しようとする手口です。

半自動・完全自動ツールを使い、高速かつ大量にパスワード候補を入力し続けるため、複雑性の低いパスワードやデフォルトユーザー名をそのまま使っているサイトは非常に狙われやすくなります。

攻撃の流れは以下のとおりです。

  1. 攻撃ツールがログインページのURLを特定
  2. 推測パターンを用意
  3. プログラムで自動的にIDとパスワードを組み合わせて送信
  4. 成功すると管理者権限を奪われ、改ざんや個人情報漏えいといった深刻な被害に

近年、ブルートフォース攻撃はさらに巧妙化しています。くれぐれも予想しやすいパスワードや、ログインURLの公開などは行わないようにしましょう。

SQLインジェクション

SQLインジェクションとはは、フォーム入力やURLパラメータに悪意のあるSQL文を埋め込み、データベースを不正操作する攻撃手法です。

例えば、ログイン認証を通すフォーム箇所があるとして、そのクエリにコードを挿入すると、認証をバイパスして管理者権限を奪われるといった可能性があります。

WordPressにおいては、テーマやプラグイン内の未検証なSQLクエリが狙われやすく、投稿データの改ざんや個人情報漏えい、サイト乗っ取りなど深刻な被害につながる危険性があります。

クロスサイトスクリプティング(XSS)

クロスサイトスクリプティング(XSS)とは、入力フォームやコメント欄に悪意のあるJavaScriptコードを埋め込み、閲覧者のブラウザ上でスクリプトを実行させる攻撃手法です。

実際、WordPressの脆弱なプラグインやテーマでは、投稿表示時のエスケープ処理漏れが狙われやすく、ユーザーのクッキー窃取や管理画面の乗っ取り、サイト改ざんといった被害が複数報告されています。[*1]

参考: Top 6 WordPress Attacks and How to Safeguard Your Site

WordPressにおすすめのセキュリティ対策

自明な攻撃手法があるとすれば、それに泣き寝入りするだけではなく、れっきとしたセキュリティ対策も存在していることにも注目していきたいものです。

本節では3つの観点から、効果的なセキュリティ対策を解説します。

実際の設定手順やおすすめプラグインも交え、ご一読ください。

定期的なアップデート体制

プラグインやテーマ、WordPress本体は最低でも週に一度はアップデートを確認しましょう。

自動更新機能を活用しつつも、事前にステージング環境で動作検証を行うことで、不具合発生時のリスクを最小化できます。

ただし、ルーティン的に更新ボタンを押すのではなく、しっかりと体制を整えてから行うことをお勧めします。

というのも、更新前には必ずバックアップを取得し、万が一問題が起きた際も迅速に復旧できる体制を整えておくことが重要です。更新後のバージョンと旧バージョン環境の記述に競合があったり、互換性のない記述などでサイトが停止してしまう恐れがあります。

アクセス制限の実装

アクセス制限とは、ログインページや管理画面ページのURLへアクセスしても、404リダイレクトやforbiddenを返すことでそもそも重要ページへアクセスさせないようにする処理のことを指します。

特定IPアドレスのみにアクセス許可をするためにWebサーバーのconfigファイルを改善したり、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)を設置したりするなど、さまざまな対策が考えられます。

また、WAFによっては特定行動パターンを検知してアクセスを遮断させたりすることもできるので、適宜システムを組んでいくことが無難でしょう。

ファイルシステムの保護

WordPressサイトのファイルシステムを保護するには、ファイル権限管理が重要です。適切なパーミッション設定で不正な書き込みや実行を防ぎましょう。

以下に適切なパーミッション例を記します。

アイテムパーミッション意味
テーマファイル644所有者:rw、グループ:r、その他:r(所有者のみ編集可。実行不可が前提)
wp-config.php440 または 400440=所有者/グループ:r、400=所有者のみ:r(機密設定。書込不可で最小権限にする)
.htaccess644所有者:rw、グループ:r、その他:r(設定ファイル。サーバは読取可、改変は所有者のみ)

さらに、不要なスクリプトやバックアップファイルはサーバーから削除しておくと、予期せぬ不具合を防げる可能性がぐんと上がります。

WordPress脆弱性に関する事例3選

WordPressは、前述までの対策がなされれば課題も少ないとはいえ、それが言及されるようになるまで大奥の脆弱性が報告されてきました。

本章では、実際に被害が確認された3つの代表的な事例を取り上げ、 それぞれの概要、原因、そして学ぶべき対策ポイントを解説します。

Jupiter X Coreプラグイン

2025年4月に発覚したJupiter X Coreプラグインの脆弱性は、WordPress界隈に大きな衝撃を与えました。90,000以上のサイトで利用されていたこの人気プラグインに、未認証の攻撃者がPHARファイルを介してPHPオブジェクトを注入できる重大な欠陥が発見されたのです。

この脆弱性の特徴は、認証なしで悪用可能という点にあります。攻撃者は、サイト上にファイルダウンロードフォームやアップロード機能が存在する場合、特別に細工されたPHARファイルを通じて以下の攻撃が可能でした:

  • 任意のPHPコードの実行
  • 機密データの窃取
  • ファイルの削除や改ざん
  • サイトの完全な乗っ取り

この事例から学ぶべき重要な教訓は、人気プラグインは標的にもなりうるということです。

以下の予防策を継続的に実施することが重要です:

  • 脆弱性情報の早期キャッチ:セキュリティ情報サービスの活用
  • 定期バックアップ:最低でも週1回の完全バックアップ
  • 最小権限の原則:不要な機能やプラグインの無効化
  • 開発元の信頼性確認:定期的な更新とサポート体制の確認

Really Simple Securityプラグイン

400万以上のサイトで利用されているセキュリティ強化プラグイン「Really Simple Security」に、致命的な認証バイパス脆弱性(CVE-2024-10924)が発見されたという事例があります。

皮肉にも、サイトを守るはずのセキュリティプラグインが、最大のセキュリティホールとなってしまったのです。

この脆弱性の核心は、check_login_and_get_user()関数における不適切なエラー処理にありました。具体的には:

  1. 2要素認証に欠陥
    • ユーザー認証チェックのエラー処理が不適切
    • 特定のAPIリクエストで認証をバイパス可能
  2. 攻撃の簡易性
    • 未認証の攻撃者でも悪用可能
    • 特別な技術知識がなくても自動化ツールで攻撃可能
    • 管理者アカウントを含む任意のユーザーになりすまし可能
  3. 必要条件
    • 2要素認証機能が有効になっていること(デフォルトでは無効)
    • しかし、多くのユーザーがこの機能目的でプラグインを導入

プラグインチームは、この脆弱性の深刻さを認識し、異例の強制アップデートを実施しました。これにより、多くのサイトが自動的に保護されましたが、すべてのサイトが即座に更新されたわけではありません。

TimThumb脆弱性

TimThumbは、WordPressテーマで使用される画像リサイズ用のPHPスクリプトです。

2011年8月、数百万のサイトで使用されていたTimThumbに、致命的なリモートコード実行の脆弱性が発見されました。

TimThumbの主な機能は:

  • 動的な画像リサイズ:サムネイル生成を自動化
  • 画像のクロッピング:指定サイズに自動調整
  • 外部画像の取得:FlickrやPicasaなどから画像を取得

この便利さから、瞬く間に数千のテーマやプラグインに組み込まれ、数百万サイトで利用されるまでに普及しました。

実際にあった被害や損害は以下のようなものです。

大規模なWebシェル感染

  • サイトの完全な乗っ取り
  • マルウェア配布の踏み台化
  • SEOスパムの大量生成

データ漏洩

  • WordPress管理者情報の窃取
  • データベース全体のダンプ
  • 顧客情報の流出

ビジネスへの影響

  • Googleによるブラックリスト登録
  • ホスティングサービスからのアカウント停止
  • ブランド信頼性の失墜

この事例は、単なる過去の出来事ではありません。新しいプラグインやテーマが日々生まれる中で、サイト運営者はセキュリティ対策に取り組む必要があります。

WordPressセキュリティに使えるプラグイン10選

WordPressサイトを守るためには、プラグインを活用したセキュリティ強化が効果的です。本章では、マルウェアスキャンやファイアウォール、ログ監視など多彩な機能を備えた厳選プラグイン10種類を一挙に紹介します。導入時に押さえておくべきポイントも解説しますので、サイト運営のニーズに合わせて最適な組み合わせを見つけてください。

Wordfence Security – Firewall, Malware Scan, Login Security

Wordfence Securityは、500万以上のアクティブインストールを誇るWordPress専用の総合セキュリティプラグインです。最大の特徴は、エンドポイント型ファイアウォールがサーバー上で直接動作し、SQLインジェクションやXSS攻撃などの悪意あるリクエストをリアルタイムで遮断する点にあります。

マルウェアスキャナーは、44,000種類以上の既知マルウェアシグネチャと照合しながら、コアファイル、テーマ、プラグインを定期的にチェック。改ざんやバックドアを検出すると即座にアラートを発信します。ログインセキュリティも充実しており、Google Authenticatorなど各種認証アプリに対応した二要素認証(2FA)、reCAPTCHA v3、ログイン試行回数制限により、ブルートフォース攻撃を効果的にブロックします。

Live Traffic機能では、攻撃の試行やボットトラフィックを含むサイトアクティビティをリアルタイムで可視化。管理画面から直感的に脅威を把握できます。無料版でも基本的な保護機能は十分ですが、有料版では脅威情報の即時更新(無料版は30日遅延)、国別ブロッキング、詳細な監査ログなど、より高度な防御が可能になります。

継続的な開発と24時間体制の専門チームによるサポートにより、常に最新の脅威に対応。WordPressサイトの包括的なセキュリティ強化を実現する、信頼性の高いソリューションです。

Jetpack – WP Security, Backup, Speed, & Growth

Jetpackは、Automattic社が開発したWordPress用オールインワンプラグインで、400万以上のサイトで利用されています。単一のプラグインでセキュリティ、バックアップ、パフォーマンス最適化、成長支援という複数の領域をカバーする包括的なソリューションです。

セキュリティ面では、ブルートフォース攻撃からの保護、24時間体制のダウンタイム監視、自動マルウェアスキャンを提供。VaultPress Backupによるリアルタイムバックアップは、変更を加えるたびに自動実行され、問題発生時にはワンクリックで任意の時点への復元が可能です。サイトが完全にダウンしている状態からでも復旧できる点が大きな強みです。

パフォーマンス向上機能として、グローバルCDNによる画像の自動最適化と配信、静的ファイルのキャッシュ処理により、ページ読み込み速度を大幅に改善。特にモバイル環境での高速化に効果を発揮します。併せてJetpack Boostを使用することで、さらなる速度向上が期待できます。

成長支援ツールには、詳細なトラフィック統計、SEO最適化ツール、FacebookやInstagramなど主要ソーシャルメディアへの自動投稿機能が含まれます。PayPalやStripeとの決済統合により、オンライン販売機能の実装も簡単です。

多機能であるがゆえに、使用しない機能は無効化することが推奨されます。無料版でも基本機能は充実していますが、リアルタイムのセキュリティアップデート、高度なバックアップオプション、優先サポートなどは有料プランでの提供となります。WooCommerceとの完全互換性により、ECサイト運営にも最適なツールです。

Limit Login Attempts Reloaded

Limit Login Attempts Reloadedは、250万以上のサイトで利用されているブルートフォース攻撃対策に特化した軽量セキュリティプラグインです。WordPressのデフォルトでは無制限のログイン試行が可能という脆弱性を解消し、サイトの安全性を大幅に向上させます。

主要機能として、指定回数の失敗後にIPアドレスを自動的にブロックする仕組みを実装。標準のログインページだけでなく、XML-RPC、WooCommerce、カスタムログインページまで包括的に保護します。ロックアウト時間は柔軟にカスタマイズ可能で、繰り返し攻撃するIPに対しては段階的に長期間のブロックを適用する「拡張スロットリング」機能も搭載しています。

管理面では、詳細なログイン試行記録により不正アクセスの監視が容易になり、メール通知機能で即座に異常を検知できます。信頼できるIPアドレスのホワイトリスト登録により、正規ユーザーの誤ブロックを防止。逆に、悪意のあるIPはブラックリストで恒久的にブロック可能です。

プラグインの最大の強みは、その軽量性にあります。サーバーリソースへの負荷を最小限に抑えながら、効果的な防御を実現。無料版でも基本的な保護機能は十分で、インストール後すぐに有効化できます。有料版では、クラウドベースのIP情報共有、国別ブロッキング、複数ドメイン間での同期機能など、より高度な防御オプションが利用可能です。

GDPR準拠機能も標準装備し、プライバシー保護にも配慮。シンプルながら強力な、WordPress必須のセキュリティツールです。

All-In-One Security (AIOS) – Security & Firewall

All-In-One Security(AIOS)は、WordPressを総合的に守る定番セキュリティプラグインです。

基本~中級~上級の段階的ファイアウォールに加え、2FAとログイン試行制御、ユーザー列挙防止、ファイル変更検知や権限チェック、監査ログ、ダッシュボードのセキュリティスコアで現状を可視化できます。

ビジネス用途では、マルウェアスキャンや国別ブロック等を備える有料版で監視とサポートを強化可能です。

なお、過去にCSRF(CVE-2022-44737)やReflected XSS(CVE-2024-1037)が報告されているため、修正を含む最新版(現行5.4.2)へ更新して運用するのが安全です。

Loginizer

Loginizerは、ログイン試行回数の制限とIPの許可・遮断で総当たり攻撃を抑止する軽量プラグインです。

無料版だけでもロックアウトやログ監視で即時の防御を構築でき、ダッシュボードからしきい値や通知を直感的に調整可能。

有料アドオンを加えれば2要素認証やreCAPTCHA、ログインURL変更などで攻撃面をさらに縮小できます。

過去にSQLi(2020)やソーシャルログイン由来の認証バイパス(2024)が報告されているため、修正を含む最新版(現行2.0.2)へ更新し、IPポリシーと通知設計を最適化する運用が安全です。

Solid Security(旧 iThemes Security)

Solid Security(旧iThemes Security)は、直感的な操作でセキュリティ対策ができるようになるプラグインです。

初期のワンクリック設定で推奨ハードニングを自動適用し、ロックアウトや2FA、パスワード強制、ファイル変更検知、脆弱性スキャンとダッシュボード可視化でWordPressを多層的に防御します。

無料版でも基礎は網羅し、DBバックアップの定期取得が可能です。

ProではreCAPTCHAやPatchstack連携の自動パッチ適用などが加わり、攻撃面の縮小と運用負荷の低減を両立。マルウェア駆除は専用ツールに委ねつつ、最新版維持と適切なポリシー設計で安定運用を図れます。

Sucuri Security – Auditing, Malware Scanner & Hardening

Sucuri Securityは、WordPressの基本防御を網羅する定番プラグインです。

改ざんや不審操作を可視化する監査ログとファイル整合性チェック、ベストプラクティスに基づくハードニング、メール通知、SiteCheckによるリモートスキャン、侵害後の鍵再発行や権限見直しといったポストハック対策までを備えています。

WAFやCDN、攻撃遮断やマルウェア駆除を含む高度な保護は有料のSucuri Firewall・プラットフォーム側で提供されるため、脅威面の縮小と運用コストの最適化を両立させたい場合は併用が有効です。

常に最新版へ更新し、通知設計と権限管理を徹底することで、日々の運用リスクを最小化できます

SiteGuard WP Plugin(JP-Secure)

SiteGuard WP Pluginは、日本語UIで導入しやすい国産のセキュリティプラグインです。

有効化と同時にログインURLを自動変更し総当たりを受けにくくし、未ログインIPの管理画面アクセスを404で遮断、画像認証・ログインロック・ユーザー名漏えい防御・XML-RPC無効化まで基礎防御をまとめて適用します。

導入は非常に簡単なのに、効力は絶大です。

運用中はメール通知と更新通知で異常とアップデートを可視化してくれたり、WAFチューニングサポートにより、SiteGuard Lite導入環境では誤検知を抑えつつ防御を維持可能です。

MalCare – Malware Scanner / Cleaner / Firewall

MalCareは、クラウド型スキャンとリアルタイムファイアウォールを核に、サーバー負荷を抑えて防御を自動化するWordPress特化セキュリティです。

日次スキャンとメールアラート、脆弱性DB照合で異常を早期把握し、ログイン保護は2FAやIP/国別ブロックで総当たりを抑止してくれます。

ダッシュボードで状況を可視化し、侵害時はワンクリック駆除で復旧を迅速化。

なお定期自動スキャンや自動駆除はプランにより提供範囲が異なるため、サイト規模と運用体制に合わせて選定しましょう。

WP Activity Log(旧 WP Security Audit Log)

WP Activity Logは、WordPress上の変更やログイン、権限・設定の更新、投稿編集までを時系列で可視化する監査プラグインです。

無料版でも詳細ログの取得と検索、保持期間の管理が行え、マルチサイトにも対応。

有料版を組み合わせればレポート出力やSlack/SMS/メール通知、外部DB・SIEMへのミラー、セッション管理まで拡張できます。

過去にXSS脆弱性が報告されているため、修正を含む最新版(5.5.0)へ更新し、通知ルールと権限設計を合わせて運用することで、改ざん検知から原因特定までの時間を大幅に短縮できます。

まとめ

WordPressの多層的なセキュリティ対策として、コアやプラグインの定期更新にとどまることなく、さまざまな対策を徹底することが重要です。

繰り返しにはなりますが、必ずしもWordPressが悪いということではなく、むしろ、WordPressなどのCMSの運用者次第でサイトの健全性も左右されるということに留意が必要です。

この記事の著者

児玉慶一(ケーイチ)

児玉慶一

執行役員/ AI・ITエンジニア

SNS Xアカウント

愛称: ケーイチ
1999年2月生まれ。大学へ現役進学後数ヶ月で通信キャリアの営業代理店を経験。営業商材をもとに100名規模の学生団体を構築。個人事業主として2018年〜2020年2月まで活動したのち、2020年4月に広告営業事業を営む株式会社TOYを創業。同時期にITの可能性を感じプログラミングを始め、現在はITエンジニアとして活動中。2021年にLeograph株式会社に参画し、AI研究開発やWebアプリ開発などを手掛ける。 「Don't repeat yourself(重複作業をなくそう)」「Garbage in, Garbage out(無意味なデータは、無意味な結果をもたらす)」をモットーにエンジニア業務をこなす。
【得意領域】
業務効率化AIモデル開発
事業課題、戦略工程からシステム開発
Webマーケティング戦略からSaaS開発